【オンライン】第23回 奥池袋読書会『独学大全〜第3部どのように学べばよいかを知ろう』 』

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今回の第3部では、
知識を理解し、咀嚼し、自らの血肉としていく、
その一連の方法について扱っている。
つまり学び方そのものであり、
いわば「独学の技」にあたる部分とも言えようか。

​だが独学者にとって「学び」というものは本当に厳しいもの。
山中でさまよえる遭難者のようになる危険と常に隣合わせ。
先に進まなければと焦るあまり、
タイトルだけが異なる類似本をサックと読んで済ませようとし、
結局は同じ場所をグルグル回ってしまうことがあるかもしれない・・・。

また遭難する恐怖心から難しい感じがする本に手が出せず、結局は裾野で引き返し、遠くからその分野という山を眺めるだけになるかもしれない・・・。

これでは、学んだ内容を自己の認識を拡大していく足場にすることはおろか、
自己の学習プロセスを改善していく動機や契機を
みすみす失ってしまっているに等しい。

したがって、書物とどんな関係を結べるかは読者次第ということになる。
「この内容はあの本の何ページあたりに、一方、反対説は別の本のこの箇所に書いてあり、学説の対立状況を整理しているのはまた別の本」などと辞書みたいに使えるようになるには、読むべき本を再読していくことが求められる。
だから読み方自体何とおりもの種類が存在しているし、初めから全て読んでいく必然性すらない。

しかしながら、先述したように「独学」は本当に厳しい。
例えば、ただ読むだけでは歯が立たないテキストが、
世の中には多数存在している。
(私のような何ら専門を持たない者が普通に読み進めていくだけでは、
鎧袖一触、跳ね飛ばされるのがオチなのだ)
このような難解なテキストにどうアプローチしていくか?
そこで求められてくるのが「精読の技法」なのである。

ここで精読とは何なのかといえば、先人の思考・言葉が書き連ねられているテキストに、自分の思考・言葉をさらに積み重ねていくことで、そこを「当該テキスト理解の外部足場として構築」していく読み方といえよう。
いわば、硬い岩盤を少しずつ削り取りながら、一歩一歩、ゆっくりと亀の歩みのごとく読み進めていく方法である。

この精読は「学び一般」にとっても非常に重要なものである。
なぜなら、この「理解・読解の外部足場」は同時に、「自分の認識を拡大させていく外部足場」でもあるからだ。
そして、「自己の認識を拡大していくことは、自分を作り変えていくことそのもの」であり、文字通り「Self-Cultivation」なのである。

そう。
難解な本とは、自分を作り変えながらでないと読み進むことのできないテキストなのであり、それは同時に自己の学習プロセス改善の契機と動機付けをもたらす貴重なものなのである。

さらに重要な点がもう一つある。
実はそうして得た知識は、次の新知識理解に繋がっていくという大きな可能性を秘めているのだ。

本書においても「有意味学習」(P452、p453)に言及されているように、新たに学習された内容は、既に形成されている自己の概念的フレームワークに関連付けられないと、保持され活用され難いと指摘されている。
(記憶というのはクモの巣状に張り巡らされたネットワーク状のようなものであり、そのネットワークが広く密であればあるほど、新知識も引っかかりやすくなるイメージか)

知識があればあるほど、新知識がさらに理解・保持され活用されやすくなるという、一種の累積的効果の話に繋がってくる。
つまり、学んでいけばどんどん知識が増え、「さらに新しいことを学んでいける足場」になっていくというだ。


これではまるで、「富める者はますます富み、云々」というマタイ効果そのものではないか。
人の認知・行動を規定しているのは、実は記憶していることなのかもしれないのである。

「そんなことググれば済む」とうそぶく者には耳が痛く、まったくもって笑えない話だろう。
(もっとも、このようなセリフを吐く者はコスパ教の信者が多く速読ばかりしたがるし、逆に独学している他者を見ると呪いをかけてくることが多いので近寄らないほうが無難)。

というわけで読書法だけでく、記憶のマネジメントや、難しい本を読めば直面するであろう「分からない壁に直面した時」の対処法。
そして、一連の学びにおいて現れ(表れ)てくるものを掘り下げていくことで、学び方だけでなく、自分の認知と行動を不断に確認し修正していくためのメタノート。
等々を今回の第3部で扱っていくことになる。





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イベント情報

開催日時
2022/01/16(日) 14:00~17:00
開催場所
オンライン開催(Zoomミーティングルーム)
主催者の性別
男性
主催者の年代
40代

主催グループ

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